<短編>美しいさよならをしましょう

いつだっけ。

あなた、言ってた。


「俺もちゃんと友達に紹介できる彼女がほしい。」


その言葉を聞いたとき、
あぁ、わたしいつか捨てられる、と覚悟した。
だから
もう愛さない、と。
わたしばかり愛を注ぎ込んで、あなたに捨てられたときに傷つくのが怖いから。
そして、
あなたに別れを告げられたときに、「楽しかったわ。」ときれいにさよならしたいから。


わたしのほうがあなたより、15も上だし、わたしが泣きすがったら、大人げないものね。



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