<短編>美しいさよならをしましょう
でも
もし
和幸がわたしを中傷するような内容のメールだったら、もう立ち直ることはできない……
最後のボタンを押す指が止まった。
もし、そうだったら
今度はだめかもしれない。
だって
ついさっき
自分の本当の気持ちに気付いてしまったから。
「おい、幸恵…ごはん、まだか?」
寝室から出てきた夫が、いつの間にか目の前に立ち、いきなり声を掛けてきた。その衝動で思わずボタンを押してしまった。
そして、メールの内容が目に入ってきてしまった。
…え?
その内容に微動だにすることができなくなってしまった。
なに?