旅路
恋路

戸惑い

「柚~!!」

走りながら、桃がアタシを呼んでいた。


「何?」

「…今日は一緒に帰れる?」

息を切らしながら桃がアタシに聞く。


「今日は、拓雅と帰るんだ~♪」

拓雅とは、アタシの彼氏で、中学3年冬から今、高1の夏にかけて付き合っている。

「えぇ…

拓雅めぇ!!」

「ゴメンッ…!!明日一緒に帰ろ!?」

「イイよ~☆」


しばらく桃と話していたら、教室の扉が開いて、拓雅がやって来た。


「柚~!!帰ろ☆」


「柚…じゃあネ♪」

桃は、拓雅を睨んで、教室から出て行った。


「…鈴木に、俺何かしたかなぁ?」

「さぁ~?」

色んな話をしながら拓雅とアタシは帰る。


イツモの日課になっていた。



いつの間にか、家に着き、

「見送り有り難う♪」

「イエイエ。明日は?」

「駄目~。予約が有るんで。」

「そっかぁ…」

落ち込む拓雅。


そんな拓雅に、アタシはいつもみたいに、頭にキスをする。


「ゴメンね…?」

「イヤ!!」

「何で!?許し…」

アタシが、喋ろうとした瞬間、拓雅の唇がアタシの唇に軽く触れる。


「コレで許す♪」

ニヤっと笑う。

そしてアタシの頭を、クシャっと優しく撫でる。


その笑顔、仕草がアタシは大好きだった…。
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