涙を流すような恋
「…‥こんなガキみてぇなので、いいと思ってんの?」
「…‥ッ…」
心臓が出てきそう
生まれて始めてのキスのあとすぐに、自分からキスさせられるなんて……
しかも、彼氏でも、友達でも、知り合いでもない、名前も知らない人に‥!?
そんなこと考えてたから、なんだか情けなくなってきて、目の前が歪んできてしまった
こんなところで泣くわけにはいかない
我慢しようと、下唇をきつく結んで、俯いて涙が落ちないようにしてみる
「…‥もしかしなくても、初めて、だった?」
「…‥‥」
「…えっ‥‥まぢかよ!わりぃ…さすがにこんなファーストキスは嫌だよな……」
あたしが何も言わないのを肯定と取ったのか、目の前の人は少し焦り気味な口調になった
「……よし、仕切り直し!」
「へ?……ッ」