涙を流すような恋



何をするのか、何か思い付いたのか、何を仕切り直すのか
まったく訳が分からなず、顔を上げると、またキスされた

さすがに、三回目は嫌で少し抵抗すると、後頭部に軽く添えられていただけの手に力がこもる

もう片方の手は腰に回っていて、ぐいっと引き寄せられ、一層距離が縮まった



ゆっくりと角度を変えて、唇を柔らかく挟まれたり、軽く吸われたり

段々とふんわりしてくる思考に抵抗する余裕がなくなってくる



あたしが抵抗しなくなったのを確認して、ゆっくりと唇が離れる


「…大丈夫、鼻で息してみ?」

話す度に、唇が触れるんじゃないかと思うほど近い距離で話されて、吐息がかかる


「ふぁ?」

「今度は、鼻で息すんの」


そう言ってから、また唇が重なってくる
今度は言われた通り鼻で息をする

あ、少し楽かも―‥



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