幼なじみの騎士くん
壁に背中が当たり、すぐ前には陽くん。


今から逃げようと思っても…逃げ場が…。


「森下…さっき好きだって言ってくれたじゃん。」


「でも…それは…」


友達として…


「友達に好きって言うためにこんなとこ来るわけないじゃん。本当はわかってたんだろ?」


陽くんの声が低くなっていく。


「照れて友達って言っただけなんだろ?」


…陽くんは郁が照れて友達って言って…


本当は郁が陽くんを好きって思ってるんだ…


「違うよ!本当に…本当に…陽くんは友達で…」


そう言うと、陽くんはあたしのあごに手を置いた。


そして…郁の顔を少し持ち上げる。


キスされる!?


そんな予感がして、無意識にも涙を流していた。


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