<続>ゆきんこ
3
「いってきまーす」
月曜日。その日はいつもよりも1時間ちょっと早く家を出た。
いつもよりも、早く敦志に会える。
そう思うと、やっぱり嬉しさが込み上げてくる。
スケッチか…
『美術』なんて、懐かし過ぎる。
『勉強』なんて、中学から無縁なあたしは、その言葉の響きにどこか懐かしさを感じた。
…まあ、中三らへんは殆どサボってたけど。
敦志は、校門の近くで待ってる、と言った。
メールで。
他の生徒とかに見つかんないかな、なんて口にしないらへん、敦志は度胸がある方なのかもしんない。
あたしは、それなりに心配なんだけど。