<続>ゆきんこ
「まあまあ、敦志拗ねんな。章大が女子と気が合うのはいつもの事だろ」
黒髪短髪スポーツ男子が敦志の肩をつついた。
「美香ちゃんは誰よりも合いそうな気がする~」
「マジ、ふざけんな章大」
・・・悪い奴らじゃなさそう。
「俺、宏人ね」
スポーツ男子があたしに顔を向けて、軽く自己紹介をする。
ヒロトと名乗るそいつは、あたしににっこり笑って、
「敦志とは幼馴染。愛とも。愛とも知り合い?」
「・・・友達」
宏人は一瞬驚いた顔して、
「うらやましい」
と笑った。
羨ましい?・・・何が?
「そこー!何やってんだ、授業は始まってるぞ!」
敦志達の向こう側から、低い声がした。
「やべ、センコー」
アキラの言葉を聞いて、初めて生で『センコー』なんて聞いたとかってどうでもいい事を考える。
「美香、俺の後ろいて」
敦志がぎゅっと手を握ってくれる。
「・・・うん」
こういうの、何か嬉しい。