<続>ゆきんこ

「いちゃついてんじゃねーよ」

宏人が敦志をこづいて、さりげなくあたしの前に立っている。

・・・ああ、隠してくれてんだ。

第一印象、『優しい幼馴染』で決定しとこう。

「せんせー!俺ら誇りある母校を描くからさっ!ここでいいよねっ」

章大が先生の方に走っていった。近づけない為に。

先生と何かを話して、ようやくこっちに戻って来た。

「ここでいいってさ」

にこー。

そんな感じで笑う章大。

「あのなあ・・・お前ら、まさかここで描く気じゃ・・・」

「その気でーす」

章大とアキラが声を揃えて言う。

宏人はどっちでもって顔で校舎を見ている。

「ふざけんな!邪魔すんな!」

敦志の喚きに、

「こーんなとこでどーんなことをする気ですかあ、敦志クン?」

ニヤリと笑う章大とアキラ。
そのタイミングさえも揃っている。



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