<続>ゆきんこ
・・・にしても。
「・・・さっきから気になんだけど・・・」
あたしは、後ろの方に隠れている男子に目をやった。
さっきから一言も喋らない。
『敦志のカノジョ?』とか言ったっきり喋らない。
登場してない。
暗い茶髪の美形男子。
他の奴らもそれなりにカッコイイけど、コイツはカナリカッコイイ。
まあ敦志には敵わない・・・って、何言ってるんだあたしは。
「ああ、そいつ、カイ。喋んないのは・・・眠いからだよなー」
とか言って敦志が『カイ』の頭に軽くデコピンをくらわす。
「何とか起きてるけど、脳は眠ってるね。こりゃスケッチは無理だなー」
宏人が説明する。
コイツの第一印象は『眠り小僧』だな。
話を聞いてる限り、いつもこんな感じなんだろうし。
まあいいや。
とか思いつつも、あたしはまじまじとそいつを見つめる。
耳にはピアス。てかイヤーカフ。
髪の色は暗いけど、何か遊び人ってイメージ。
目は半分閉じてるアホ顔なのに、美形はやっぱり美形なのだろうか。