<続>ゆきんこ
色々考えてたら、敦志の声が聞こえた。
「あやま…あやまる?…何で?」
本当に解ってないらしい。
「冗談でも冷たいなんて言うな。女の子は繊細だから」
海がそう論理付けてる。
…聞いてた?
半分眠った脳も、半分は働いてて。
あたしたちの会話を、ちゃんと聞いてた?
…なんかコイツ、すごくすげえ気がする。
「それか!…美香、嫌だった?」
敦志の顔があたしに向けられて、視線が交わる。
「……別に」
あたしが素直さに欠けているのは敦志も十分知っている。
だからか、
「ゴメンな」
ちゃんと謝ってくれる。
「別にいいし」
本当に、別にいいのに。
そんな改めて言われると、こっちが謝らせたみたいで堅苦しい。
「海、さすがっつーか…な」
アキラが宏人に言った。
「女子の心理に詳しいからな。女慣れしてるだけだろーけど」
宏人は苦笑してる。