<続>ゆきんこ
旅行とは
1
あの後敦志は、いつも通りの敦志になって、ちょっとギクシャクした感じだったのはあたしだけだった。
火曜も水曜も木曜も、何故だか敦志以外の4人とも校門にいて、ちょっと話して帰るっていうのが続いた。
でも、金曜の今日は違うくて。
「美香、ダッシュ!」
校門前3メートルの位置まで来たあたしに向かって走ってくる敦志。
敦志の手が伸びてきて、思い切り手を捕まれる。
「う、わっ!!」
ぐん、と風が頬をかすり、若干引きずられる感じであたしは走った。
またもや意味不行動だ。
「・・・あーっ、きっちぃ!!」
「・・は・・・はあっ・・・・・・何なのあんたは」
「あー、うん。二人で話したくて」