神様と呼ばれた私
「リウ゛!手ぇだして!」
「…?」
私が、言われるままに手を差し出すと、ウィルがその手をぎゅっと握った。
「リウ゛♪」
にかっと笑うその笑顔につられて、私も頬の筋肉が緩んだ。
1日で、こんなに笑ったのが信じられないくらいだ。
ウィルの手は、モーズの手と違い、小さくて、私の手ですっぽりと包めるほどだった。
私はそう考え、家族を思い出し、ウィルやモーズと家族になれたら……。
そこまで考えて、やめた。
これ以上の幸せを、願っても良いのかわからなかった。
そんなことを願ったら、どんどん欲張りになってしまうだろう。
つまらない欲で、この幸せを失いたくない。
今の幸せが続くだけで、十分だ。