神様と呼ばれた私
老婆
「ばばぁ!ばばぁ!」
少年は、ある家の前で立ち止まると、大声で呼んだ。
すると、しばらく経った後、玄関のドアが音をたてて開いた。
「なんだぃ?」
出て来たのは、白髪頭を1つに結った、こぢんまりとした老婆だった。
「あのさぁ!これ!この人に、名前を付けてやってほしいんだ!!」
少年は私の腕をぐいっと掴み、老婆の方に引っ張った。
「どうも…。」
老婆は、しげしげと私の顔を見る。
「ふんふん。名前がないのかい。かわいそうだねぇ…。」
「だろ?だから、付けてやってよ!」
少年が急かす中、老婆はゆったりとした言葉で私に問い掛けた。