ほんとうに大切なもの
席に着き、久々に会うヘルプの男の子たちも挨拶をしてくれた。
「メグさん、久しぶり。最近来てくれなかったから寂しかったよぉ。元気だった?」
私のお気に入りのヘルプがそう言ってくれた。

ユウヤとはまた違った魅力を持つホストで、彼は今後期待のホストだ。


しばらくすると、ユウヤが席にやってきた。
開口一番に


「メグ、久しぶり。会いたかったんだよーーーーー。」

そう言って、軽く私を抱きしめた。
今まで何度か店に行ってるのに、こんなことされたの初めてだった。

「ユウヤ、いきなりどうしたの?」

「だって、メグ来てくれないから。連絡もくれないし。」

作戦に負けるな!!これはユウヤの作戦、、、つられたら負け。
そう自分に言い聞かせながらも、ユウヤの瞳に吸い込まれていく自分がわかった。

そして数十分会話をした後、ユウヤは私の席をたった。
いつものことだ。またユウヤの客が来たのだろう。

ユウヤが戻ってくるまで別のヘルプのホストがついた。

サヤちゃんはというと、ツカサと2人っきりで話したいと言って私たちとは別卓になっていた。

しばらくすると、別のヘルプが何か持って私の席へやってきた。
ヘルプの手にはシャンパンが握られていた。


「ちょっとぉ、頼んでないけど。」


これが煽りなのか?なんて少し戸惑っていると、ユウヤが私の席に戻ってきた。

「ちょっとユウヤ?これって・・・」

ユウヤはヘルプを席から離れさせて私たち2人きりになった。

「あのさ、メグ。もうすぐ誕生日でしょ?だから2人でお祝いしよ。
このシャンパンは俺からのプレゼント。」


意外すぎてビックリした。
私が教えた覚えもないのに・・・

しかもシャンパンをユウヤが私に飲ませてくれるなんて・・・
嬉しすぎて思わず涙が出た。

「何泣いてんの?メグ、乾杯しよっか。」



ユウヤのサプライズのプレゼントに私はただただ、純粋に嬉しかった。
何も期待なんてしていなかったのに。
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