ほんとうに大切なもの
「メグさん、このサイト見てくださいよ。すごくないですか?」

そうスタッフが私に携帯の画面を見せながら話しかけてきた。


そこには”簡単にお小遣いが稼げます”と大きく書いてあった。


以前そんな話をしていたのを思い出し、アクセスしてみた。
そのサイトにはいわゆる大人の出会い系というのであり、割り切った出会いを求めるサイトであった。
掲示板に書き込まれているのはプロフィール・・・名前、年齢、住所、メッセージ…ただサイトなのでどこまでが本当かはわからない。ただそこに月収という欄があり、月収とはその人の稼ぎの金額ではなく、関係をもった時の金額が提示されていたのだ。

何を思ってか私はためしに、名前を偽って投稿してみた。



―麻理子、24才。OLです、ヒマしてるから誰か遊んでくれる人いませんか?

こんな短いのでいいのかなーなんて思いながら投稿ボタンを押した。


1分経つか経たないかで返信メールが携帯に転送されてきた。

―投稿見たよ。オレもヒマなんだ。1.5で今から会える?


―やっほー、これからどう?可愛かったら2出すよ

―こんにちは。48歳です。パンツも頂戴!!


―どこ住み?俺は○○住み。これからご飯でも行かない?そのあとは…ね。


思ってたとおり、くだらないメールが数分間の間に山ほどきた。
もう受信音が鳴るのがイヤになるくらいだ。
まさに自業自得だ。



みんな、安いよな~これじゃ足りないよ。
メールも面倒だから投稿消しちゃおう。そしたら来なくなるだろうし。

そう思い投稿欄を削除した。




削除した後にメールが受信された。
またサイトからのメールだ。

入れ違いで最後に入って来たのかな・・・
最後のメールだったので私も消さずに文章を開いた。



―はじめまして。もう誰かと約束しましたか?
お金欲しくありませんか?割り切った関係を目的で会っていただけませんか?
まずはお茶でもしませんか?値段は会ってから決めていただいても結構です。



なんか、今まで届いたメールと少し違う。

私も退屈だったのもあり返信してみることにした。




< 14 / 21 >

この作品をシェア

pagetop