ほんとうに大切なもの
―ご連絡ありがとうございました。
まだ誰とも約束してません。あなたが最後にくれた人です。
割り切った関係って、彼女でもいるのですか?いくつですか?


あんまり相手のこと聞くのはまずかったかなぁー。
でもなぜか彼にひかれるものがありメッセージをやりとりしてみようと思ったのだ。

すぐにメッセージが来た。


―いいえ、いませんよ。
ボクは32才の会社員です。麻理子さんの投稿を見てなんかむしょうに会いたくなりました。


メッセージをやり取りしているには悪い人ではなさそう。

―そんな風に言ってもらえるなんて、なんか嬉しいです。

他愛もないやりとりをしばらく続けた。
なんか、昔やりとりしていたメル友と違って、この人は友達のように話せる。
いい年してこんなことしていていいのかなー。

退屈しのぎになるしまいいか。

彼、正人とのメールのやり取りはしばらく続いた。
お互い、プライバシーに関わることは何も聞かない。


このことは誰にも言わないでおこう。


正人とメールをしていると、ユウヤへの寂しさや思いを紛らわせることができる。
いつも対応が大人で、私のどうでもいいグチや悩みを聞いてくれた。


―今度、休みが合ったらデートでもしようか?

突然、正人から誘いのメールがあった。

―うん、いいよ。

すっかり仲良くなっていた正人からの誘いのメールに断る理由はなかった。
< 15 / 21 >

この作品をシェア

pagetop