ほんとうに大切なもの
「ただ援助交際するのもつまんないから、どうかな? 悪い話じゃないと思うんだ。ボクも麻理子ちゃんを一目見て気にいっちゃったんだ。 契約金は今日払うよ。」


500万だなんて…そんな大金が1年間、正人と恋人のフリをしてるだけでもらえるなんて…。願ってもないおいしい話だ。しかも相手はユウヤ似だもん。私から別れたいなんて絶対思わないもんね。
これでまた本物のユウヤに会いに行ける。

私はこの契約を安易に考えていたのかもしれない。


「いいよ。じゃぁ、お互いサインしようね。」

そして私たちは、連名でこの契約書にサインをした。


「じゃぁ、麻理子ちゃん、これ契約金の500万ね」

「ありがとう」

私はいわば500万で買われたようなもんだ。


「明日からボクの恋人だからね。ボクの事を彼氏だと思ってね。麻理子ちゃんて前の彼氏とかから何て呼ばれてたの?」

「あ、メ…じゃなくてマリとか・・・麻理子です。」

危うく本名を言うとこだった。

「じゃぁ、マリって呼ぶね。その方が気分出るでしょ(笑)」

「じゃぁ、私は正人って呼ぶね。」

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