ほんとうに大切なもの
明日から、このおかしな生活が始まるのかぁ~
あれ?今日からじゃないんだ…

「あの・・・」

「何?」

「今日は…その…
 やらないの?」

恥ずかしそうに私が尋ねると・・・

「今日は何もしないよ。契約だけ。恋人契約は明日からだからね♡
 今日は帰っていいよ。家の近くまで送るから…着替えて。」

「あ、はい」

私は着てきた服に着替え、正人の車に乗り込み待ち合わせた喫茶店の前まで送り届けてもらった。

「じゃぁね。これ、持っておいて。ボク専用だから。」

そう言って正人は私に携帯を渡した。
正人名義の携帯らしくて、連絡手段だそうだ。もちろん支払は正人である。

「あの、なんでこんな事を?」

「――――じゃぁ、またね。連絡するよ」

正人はそう言って、走り去って行った。
今までのメールでのやり取りの感じや契約金の支払いといい、どうやら”お金持ち”なのかもしれない。
お金持ちのやることはわからないなぁ~。

とりあえず、明日も仕事だし家に帰ろう。

< 20 / 21 >

この作品をシェア

pagetop