オレンジ
01、出逢い
「明日からアンタは違う家に住みなさい!!」
お母さんからの急なお達しだった。
私、月影柚季は只今片手に荷物。片手に地図を持っています。
え?何故かって?
それは…昨日の事だった。
「お父さん、お母さん。話って何?」
リビングのドアを開けるとそこには優雅に紅茶を飲んでるお母さんとテーブルにうつぶせ状態になっているお父さんの姿。
いやいやいや…何があったの?
「柚季か…」
「どーした?お父さん」
近くまで近寄り、コテンと首を転がした。
「いいい…いいか?おおお落ち着いて聞くんだぞ?」
「まずはお父さんが落ち着けェェェ!!!」
「あ…あぁ」
お父さんはゴホンと咳払いすると口を開いた。
「お父さんの会社が潰れた。」
「はい?」
「で…お父さん達はこの家を売って田舎で暮らそうと思うんだが…」
「そんなの嫌だよ!」
せっかく受験頑張って入りたい州鈴学園高等部に合格して…
彼氏作って
友達作って…
私のザ☆スクールライフはどうなるのさ!
「で、私達は考えたのよ」
今まで黙っていたお母さんが口を開いた。
「明日からアンタは違う家に住みなさい!!」
はい?
「私の知り合いにアンタの面倒を見て貰うように頼んだから」
「はぃ!?」
「明日までに荷物発送しとくからさっさとしなさい」
「えぇ!?」
「州鈴は近いみたいね。良かったじゃない。」
「いやっ…」
「返事は“はい”以外受け付けないわ。分かったらまとめてきなさい!」
「は…はいィ!」
そして私は昨日頑張って部屋の荷物をまとめて発送したんだ…。
で、今私は…道に迷っています…。