キミが大好きだから〜陽菜へ〜

思わず出た自分の声が思ったより低くて。



ヒカリは、一瞬ビクッとなったあと、


「そんなに怒らなくてもいいじゃない」


と言いながら部屋を出て行った。





くそっ!




陽菜のことをあんな風に言われたことにも。


カズマと一緒にいる陽菜を見たことも。



・・・みんなの前で陽菜に声をかけられなかったことも。




俺は無性に腹が立って、


コーヒーの入った紙コップを乱暴に机に叩き置いた。



一番、腹が立つのは俺。




声をかけられなかった。



いくらそれが陽菜を守ることだって言っても。



俺はいつまでこうしなきゃいけないだ。



ごめん、


ごめんな、陽菜。




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