キミが大好きだから〜陽菜へ〜
「本当にすみませんでしたっ」
何度も頭を下げるヒカリ。
そして、
「私、この仕事やめることにしたんです」
は?
「社長にもうお前の事務所とは仕事が出来ない、って言われてしまって・・・黒田社長にそう言われたら、もう仕方ないです」
そして、自分のまいた種ですから・・・、とうつむいてしまったヒカリの背中は泣いてるように見えた。
「なんでだよ」
俺の言葉に紺野もカズマも驚いたようにこちらを見た。
「お前、この仕事が好きで好きでたまらない、みたいな顔して歌ってたじゃねぇか。俺はお前とはもう仕事は出来ないけど・・・」
お前ならがんばれるよ。
って続けようとした言葉は、泣いて店の扉を開けるヒカリにかき消されてしまった。