キミが大好きだから〜陽菜へ〜
「お前、何言ってんだ?」
かすれて上手く声が出ない。
うつむいたヒカリの姿に俺は一瞬で気づいたんだ。
「お前、あいつになんかしたら・・・」
「じゃぁ!」
ヒカリの声が重なる。
「じゃぁ・・・最後でいいから私を抱きしめてよ。そしたらなんにもしない」
「は?・・・んなできるわけないだろ?」
「本当に、抱きしめてくれるだけで、それだけで私は満足だから」
ヒカリの必死な顔。
陽菜に何かあったら・・・
俺はぎゅっと目を閉じて、軽くヒカリを抱き寄せたんだ。
ごめんっ陽菜・・・。