キミが大好きだから〜陽菜へ〜
正直そのヒカリの叫び声を聞いたときに俺はぞくっとなったんだ。
なんだ、こいつ。
・・・なんか・・・やばい。
呆然となる俺の肩を抱いて、
「やばい。騒ぎになりかけてる」ってタクシーに乗り込ませたカズマ。
あいつはそれ以上何も言わなかった。
きっと俺がヒカリとキスしたところも見てるはずなのに。
ごめんな、陽菜。
俺はとてつもなく弱い人間で。
理由はどうであれ、お前が寂しがっているときに他の女とキスをしたんだ。
そして、それを今隠そうとしている。
お前に知られたくなくて。
これ以上心配かけたくなくて・・・なんて下手な言い訳をしながら俺はタクシーにゆられてるんだ。