キミが大好きだから〜陽菜へ〜
裏口にはカズマの言ったとおりにタクシーが止まってて、
俺はメガネをつけて乗り込んだ。
待ってろ。陽菜。
今、会いに行くから。
タクシーの窓から見える空は、冬の夕闇が上から落ちてきていて、なんだかそのまま吸い込まれそうな妙な感覚になる。
空から目が離せなくて、ずっと窓から外を眺めてる俺に、
タクシーの運転手が
「今夜あたり降るそうですよ。急に寒くなりましたもんね」
と声をかけた。