キミが大好きだから〜陽菜へ〜
コンパ
いた…。
もう早速絡まれてるから、声をかけてやった。
軽いのか、あんまりわかってないのか。
どっちでもいいや。
今日は仕事たくさんしたからなんかもう疲れたし…帰ろうかな。
だけど…
なにがなんだか。
いつの間にか、カウンターに座る俺と天然の女。
少し面倒臭い気もしたけど、なんとなく帰るタイミングを逃してしまった。
…本当になんとなく、だったか?
名前を聞かれて、
本名の「藤島陽斗」を自然と教えていた。
俺もどうしたんだろう。
本名をフルネームで教えるなんて滅多に、というより女に教えることなんて今までなかったのに。
彼女は紙に書いた俺の名前を見て、笑ったんだ。
なぜなんだろう。
ついみとれてしまう俺は少し酔っ払ってるんだろうか。
柔らかそうな肩までの髪の毛はやりすぎないくらいにゆるく巻かれている。
白い肌にピンクの唇。
もてるだろうな。
でもさっきのあしらい方は慣れてるとは言い難いぞ。
なんだ。この女。