キミが大好きだから〜陽菜へ〜
どのくらい時間が過ぎただろう。
今思えばそんなに長い時間ではなかったのかも知れない。
でも、その時はそんなのどうでもいいことで。
バンッ。
扉が開いてガラガラと出てきたのは・・・
頭に包帯を巻いて横たわる彼女だった。
来ていたカズマのお母さんが、舞が、何か泣いて陽菜にすがってるけど、
その全てがまるでコマ送りのように鈍い流れで見える。
ただ、俺は陽菜しか見えなくて。
周りの人間が消えてしまったように、
陽奈しか見えなくて。