キミが大好きだから〜陽菜へ〜
「ご、ごめんな・・・さい」
震えながら、深く頭を下げるヒカリ。
誰だ?お前・・・。
「お前、誰なんだよっ?!」
ヒカリの肩を掴んで強くゆすると、ヒカリの頭ががくがくと揺れる。
ヒカリは涙でぐちゃぐちゃになりながら恐怖で真っ青の顔になっている。
「陽斗!」
カズマの声が聞こえて、俺は誰かに羽交い絞めにされた。
「陽斗!やめろっ!そんなことしても、陽菜は・・・」
陽菜、という言葉でやっと俺は我に帰った。
くずれ落ちるヒカリに、カズマが怒りを押し殺した低い声で言った。
「ヒカリ、お前もう二度と顔を見せるな・・・」
ヒカリがまた大きく泣き出したけど、
俺の耳にはそんなもの入ってこなくて。
ぼんやり窓を眺めると、また、雪が降り出していた。