キミが大好きだから〜陽菜へ〜
「何言ってんだよ。陽菜と待ち合わせしてんだよ」
「陽斗・・・っ」
なんだよ?
なんでカズマが泣くんだよ。
お前、おかしいぞ。
「すみません。柚木陽菜さんのご家族の方ですか?」
不意にかけられた言葉に、カズマが「はい」と反応する。
そこにいるのは、救急隊員の格好をした男性で。
「あの、これ。現場に落ちてたんですけど、多分患者さんのものじゃないかと・・・」
差し出された手のひらに、
俺の体は再び震えが止まらなくなった。
そこには、
小さな・・・リング。