キミが大好きだから〜陽菜へ〜
・・・陽菜っ?
陽菜の、瞼がぴくっと動いた気が、する・・・。
「陽菜ちゃん?!」
ベッドサイドから、カズマのお母さんが声をかける。
陽菜の口から「ン。。。」とかすかに息が漏れたからだ。
「陽菜。陽菜・・・」
俺は、早まる鼓動を感じながら、
努めて、いつも陽菜に話してるように、優しく語りかけた。
何度も彼女の名前を呼ぶ。
お願い、戻ってこい。陽菜。
リングと共に握り締めた陽菜の手のひらが、ほんの少しだけ握り返した・・・ような気がした、
その時・・・
彼女の目がゆっくりと開かれたんだ。