キミが大好きだから〜陽菜へ〜
机に広げられたのは、
何冊かの雑誌と書類。
表紙にはアメリカ留学の文字が。
「これ、陽菜の部屋で見つけたんです。私も正直知らなくて」
彼女の声が徐々に涙声に変わる。
「陽菜・・・留学を考えてたんだ、って。きっと陽斗さんについて行こうって思ってたのかな、って・・・」
雑誌に伸ばしかけた手をもう一度ぎゅっと握り締めた。
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「何お前にやにやしてんだよ?」
「え?してないよっ」
「何?なんかあんの?」
「ん~~・・・・また後でねっ」
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あの最後の夜の記憶が俺の中によみがえった。
もしかして、あのことって・・・?
これのことだったのかよ・・・。