キミが大好きだから〜陽菜へ〜

空港には出発のことはふせてあったのに空港には十数名のマスコミの人達が待ち構えていた。



ヒカリはあの事件の後、引退し、俺はアメリカ。



まぁ、退屈しのぎの話題にはなるよな。



俺はくだらない質問の数々を無視して廊下を早歩きしていく。



搭乗口近くで、思わずふと立ち止まった。



そこには空が。



大きく切り取られた窓から青い空が見えた。



雪はとっくにやんでいて。


小さく動いた俺の口に、



「何をおっしゃったんですか?」



なんてめざとい記者が質問してくるけど、俺が答えるはずもなく、そのまま飛行機へと乗り込んだんだ。
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