キミが大好きだから〜陽菜へ〜

「ちくしょうっ!」



蹴っ飛ばした椅子が派手な音を立てた。



その音が思ったより大きかったことがまた余計に俺をいらつかせた。



というより、今は何をしても何を聞いても、きっと俺を荒立たせるのだろう。



イライラの原因は今朝見たテレビでの話題だ。



アメリカで俺が携わった映画が大きな賞をとったということ。



音楽面でも高く評価されているということ。




本当はとても喜ばしいことだ。



知り合いから次々と届くお祝いのメールや電話がそれを意味している。



けど・・・




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