キミが大好きだから〜陽菜へ〜
「あの、ドリンクいかがですか?」
差し出されたトレイをたどれば、それはさっきの魔女の女の子だった。
もう仮面はとっている。
「さっきはすみません。驚かせちゃって・・・」
「いや、こちらこそ。なんか俺たちのほうがういてるよね」
変装をしていない紺野と俺がこの場で逆にういているのは確実だった。
「ふふっ。そうかも・・・・・・じゃぁ・・・」
そう笑ってその女の子は自分のかぶっていた三角帽子を俺の頭にそっと載せた。
「これで、大丈夫です」
いつもなら、そんな強引さを疎ましく感じるのに、
変にその時はそんな嫌な感じなんか全くなくて、
「ありがとう、いいの?」
微笑む彼女に素直に感謝の言葉を返してたんだ。