キミが大好きだから〜陽菜へ〜
その細い腕を掴んで、彼女の小さな悲鳴と共に引き寄せた。
陽菜・・・・・・思い出してくれたの?
あの時間も。
あの夜2人で見た星の瞬きも。
「ヒナ・・・」
抱き寄せた彼女の体は温かくて、
それに反応するように俺の目からは涙が流れた。
「haru・・・」
抱きしめる向こうにコップを持った紺野のびっくりした顔が見えて、
俺は。
現実の世界に引き戻される。
「彼女」はここにいない。