キミが大好きだから〜陽菜へ〜
まだ曲としてはつながっていかないけど、
俺の中で久しぶりにメロディーがかすかに生まれてくる。
もう少し。
もう少しでまた昔のように戻れるかも。
それから一週間ほど、掃除をしているシオンや他のスタッフとしゃべりながら、
久々にゆっくりした時間を過ごしていた。
そんなある日。
「haruさん!今日ご飯食べに行きません?」
誘われたのはシオンの友達だというスタッフから。
「いいよ」
簡単に返事をした俺を意外な目でシオンが眺める。
「なに?」
「だって、haruさんって、あんまりそんな誘いに乗らないって聞いたから」
「意外?俺結構好きだよ、そんなの」
ウソ。本当は最近苦手だった。アメリカに来てからこんなことはめったになく、
こっちのスタッフがそんな俺しか知らないのは当たり前だ。