キミが大好きだから〜陽菜へ〜
「あー…ちょっとな」

「もしかして誰か送ってたり…とか?」


あ〜。

やっぱりなんとなく的外れ。


カズマはじっと俺を見て、

「変だぞ?お前」


と一言。


あぁ。わかってるよ。


でも…予感が当たって欲しくなくて。



その直後。俺は自分の勘の良さを恨んだんだ。



「陽菜のことか?」


カズマの口から出る彼女の名前はとても自然で、優しい響きをしていた。



それは多分ただの知り合いだけではなく…。



「何?お前の知り合いなの」


わかってる答えに向かって俺はわざと明るく尋ねる。

「もしかしてカズマの女?」

「…」


黙ってるカズマをいいことにして、俺はなぜか言葉がとまらなかった。



「結構かわいいよな。あの子、男いんの?」



「ハル…!」



俺の言葉を遮ったカズマの表情は見たことないくらいに厳しくて、俺は思わず口をつぐんだ。
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