キミが大好きだから〜陽菜へ〜
「だから、言ったじゃないですか!」
再び顔を上げたシオンはいつものように笑っていた。
「冗談です。冗談。なんか元気ないな~、って思ったから・・・」
シオンは再びうつむいて、俺の体から離れた。
肩が小さく震えている。
「シオン・・・・・ごめん。俺やっとわかった。自分の気持ち誤魔化してるだけだったんだって・・・」
「・・・・・・」
「けど、自分の気持ち受け止め切れてない奴が、新しいメロディーなんて作れるわけないんだよな?」
本当は、気づいてた。
なんで曲が作れないのかも。
なんでパーティーが嫌いなのかも。
なんで笑うのが苦手だったのかも。
なんで・・・なんで前に進めないのかも・・・