キミが大好きだから〜陽菜へ〜
うつむいたままのシオンの声は確実に涙声で。
「だから・・・haruさん、日本に帰ってください」
「え?」
「スタッフの皆さんもそう望んでます。皆本当はもっともっと一緒に仕事をしたいって思ってますけど、きっとharuさんの忘れ物が日本にあるんだ、って・・・」
俺は言葉を失った。
そんなことまで皆わかってたのか?
きっと紺野が言ったことでもない。
それはこの2年弱、俺を見てきて、皆それをなんとなく感じているんだ。
俺は、自分のことばかりだったのに。
呆然と立ち尽くす俺にシオンはぺこんと礼をしてくるりと背を向け離れていった。
シオン、皆。
本当にごめん。そして本当にありがとう。