キミが大好きだから〜陽菜へ〜
#8 Ring
ゆず
飛行機から降り立つと、
懐かしい空気のにおいがした。
アメリカの事務所のスタッフ達に笑顔で送り出され、
俺達は日本に帰ってきた。
とはいっても、実際のところ、これからどうなるのか会社の方針を待たないといけないのだけど。
2年前、ここを離れるときに抱えた俺の気持ちが、昨日のことのように思い出される。
空は・・・
すっかり夕暮れが落ちて、闇の中には星は瞬いてはいない。
それでも、俺は空にあるはずの瞬きをどうにか探そうと目を細めた。