キミが大好きだから〜陽菜へ〜
「haru、行くぞ!」
紺野にぽんと背を押されて俺達は歩き出した。
日本に帰ってきたんだ。
俺の帰国は誰にも言ってないはずだったけど、
何人かの記者が待ち構えているそのカメラの横を何も言わずに通り過ぎる。
やっぱりこのごろ新しい曲を発表していないのが原因していると思うけど、
出発したときよりも記者の人数は少なくなっていて、
俺は少し自嘲気味に笑いながらタクシーに乗った。
ま、こんなもんだろ。