キミが大好きだから〜陽菜へ〜
俺はなんとなく照れくさくて、スタジオの中を覗き込んだ。
きれいにしてあるのは、きっと毎日掃除してくれてたんだろう。
「ありがとうございます」
深く頭を下げた俺を舞はびっくりしたように見つめて、
なぜかすこしだけ涙声で、
「・・・・・・ずっと待ってました。ハルトさんが帰ってくるのを」
haruではなくて、ハルトと呼ばれるその懐かしさに、
俺は言葉もなくただ、ピアノに手を置いてながめた。
しばらくの沈黙が流れる。
舞は、少し躊躇してから、思い切ったように口を開いた。
「ハルトさんっ・・・」
「haru、来てたのか!やっぱり日本っていいよな~~」
タイミング超悪いぜ、紺野・・・。