キミが大好きだから〜陽菜へ〜

質問と当日の確認事項は簡単に済んだけど、


その後、紺野が「ちょっとあちらで・・・」と水島さんを連れて部屋の隅に移動したのは・・・


きっとこの思わぬ再会に気をきかせてくれたんだろう・・・。



だけど・・・



どうしていいかわからないんだ。



俺の目の前に座る女の子。


ずっとずっと会いたくて会いたくてたまらなかった女の子・・・・・・。




「ゆずって、いうの?」



俺の口から出る言葉はどんなに精一杯頑張ってもたいしたボリュームは出なかった。



そんな言葉を必死で聞いて、彼女は答えてくれるんだ。



「はい。会社で、そう呼ばれてます」



嬉しそうに言う彼女の顔から、今幸せなんだな、っていうことがわかって、


俺はほっと安心したんだ。







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