キミが大好きだから〜陽菜へ〜

陽菜の気持ち。



「本当のことをそのまま伝えたい。曲がらずまっすぐに真実を真実のまま」



左手を大事そうに胸にあて、まるで大切な宝石を一個一個出すように話してくれた彼女の姿に、



俺の胸の鼓動はまたゆっくりと加速していくんだ。



それって・・・2年前のことがあるから?





いいや。考えすぎかもしれない。




陽菜が、胸に置いた自分の左手をそっといとおしむように見つめるのを俺が見ているのに気づいて、彼女はあわてて言葉を付け加えた。



「これ・・・なんだか大切なものが入ってるような気がして・・・」



陽菜・・・。


陽菜!陽菜!


思わず2人をはさむテーブルなんか乗り越えて抱きしめたくなるような衝動に襲われる。



陽菜・・・。



そこに入ってたのは、



お前が今も不思議そうな顔をしながら右手を添えるその左手の中には



俺にとっても大切な俺とお前の約束のリング。





・・・入ってたんだよ。









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