キミが大好きだから〜陽菜へ〜
撮影の合間にどうしても後ろの彼女たちが気になってしまうのを隠しながら俺はカメラに集中することに意識を集めた。
けど、やっぱりプロはすごい。
カメラマンの男性がちらちらと時々飛んでいたであろう俺の目線を捉えて、
「haruさん・・・気になります?」
「はい?」
まさか・・・。
「長い間カメラから人を覗いてると、カメラを通してその人の本音が見えたり、そういうことがあるんですよ」
「・・・・・・」
「haruさん、あの子が気になるんでしょ?」
思わず顔をしかめた俺の表情を一枚カメラにおさめて、そのカメラマン、小畑さんはレンズから顔を離して言った。
「しかも、彼女が2年前の写真の彼女だ・・・・・そうでしょう?」
え?
感じていた体の震えが徐々に大きくなってくるのを俺は感じていた。