キミが大好きだから〜陽菜へ〜

「それでは最後に観覧車の中での撮影となります」



なんとか立ち直った俺は再びharuの顔で水島さんと対してる。



陽菜はやっぱり少し離れたところにぽつんと立っている。



きっと今日の俺の態度でそうしたほうがいいと考えたんだろう。



「おい、ハルコ!」


小畑さんが水島さんに何か耳打ちをする。


「え~~??」


という水島さんの声。


それから何かしばらく考えた後、水島さんは俺にまずお辞儀をして謝ってから、こう切り出した。



「あの・・・もうそこまで黒田さんがいらっしゃてるみたいなので、もうしばらく待っていただいていいですか?」


「え?」


「ハルコ!haruさん待たせるわけにいかないだろう」


「だって、小畑さん、あとゆずしかいないし・・・」


「こっちはもうあと数枚とるだけだから、お前は黒田カズマのインタビューとりに行け!」


「でも・・・」


「大丈夫!俺は大ベテランだぞ」


「それじゃぁ・・・」


と言う水島さん、いえハルコさんの顔は心なしか嬉しそうで。


おいおい、顔に出すぎ出すぎ。


「それでは、haruさん、本当にすみません」


と言って陽菜のほうにかけていくハルコさんの背中も弾んでるようにきもち見えた。



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