キミが大好きだから〜陽菜へ〜
ゴンドラの中はもうしゃべる人もいなくて。
俺達はただだまって、それぞれの方向を眺めている。
顔に当たっていた視線が外れていることを確認して、
俺は、そっと彼女の横顔を見たんだ。
もしかして、こんな近くにいれるのもこれが最後かもしれない。
彼女は、窓越しに夜景を見ていた。
暗い中、観覧車の明かりなのか、夜景の明かりなのか判らないけど、彼女の横顔がほんの少し照らされてて、
俺は、やっぱりあの時と同じように
「きれいだ」
なんて思うんだ。
性懲りもない奴だな、俺って。