キミが大好きだから〜陽菜へ〜
なんだよ、しっかりしろ、って。
「カズマさんも見損なったよ。お前の前であんな・・・」
「なんだよ」
「陽菜ちゃんに・・・その・・・・」
「あぁ、プロポーズだろ?」
「あぁ・・・って。お前大丈夫なのか?」
「・・・・・・わかんね」
立ち止まった俺の顔をカズマが覗き込んで言った。
「お前・・・」
「なんだよ?」
「泣いてるじゃんか・・・」
「え・・・・・?」
手で頬を触ると、手に濡れた感触が伝わる。
「俺、いつの間に・・・」
カズマは何も言わず、俺を再び引っ張ってタクシー乗り場へと連れて行った。
そして、
「すぐに行くから、お前は先に帰っておけ」
と言って、俺をタクシーに乗せて、出発させた。
感情が、
わかんね。
とにかく・・・・終わったんだ。