キミが大好きだから〜陽菜へ〜
降り出した雪は、まだ積もるというほどではないけど、
足もとの感覚が、みぞれでじゃりじゃりし始めた。
そして、ツリーの前に立った。
祭りも終わってこの時間、誰もいない。
俺は白い息を吐きながら空とツリーを見上げた。
目を閉じると、
あの朝のまっ白い姿の陽菜が思い浮かんだ。
涙が一筋流れていく。
寒いせいか、それがやけにあったかく感じられた。
陽菜…さよなら。
ごめんな、守ってやれなくて。
側にいてやることもできなくて。