キミが大好きだから〜陽菜へ〜
俺は冷たくなった手で胸に手をあててから、
そっと、首にかかったチェーンを取り外した。
手で掲げて見つめる。
少し傷がついたこのリング。
あの朝、彼女の手で光ってたリング。
守ってやるって、
そばにいるって
そんな約束の形は、あっけなく俺の手に戻ってきたんだ。
きっと、今頃は他のリングが彼女の指に通ってるんだと思う。
痛すぎて、胸が痛すぎて、麻痺をしてるみたいに何も感じない。
ただ、俺はもう一度そっとリングを握りしめて、
そっと離した。